CO2温暖化脅威説は世紀の暴論
― 寒冷化と経済行為による森林と農地の喪失こそ大問題 ―
槌田敦(名城大学商学部)

 CO2温暖化脅威説は,たとえば南極ボストーク基地における氷床の調査により,大気中のCO2濃度と気温とが過去22万年にわたって関係があることなどを根拠にしている.しかし,2つの現象が長期にわたって関係するとき,どちらが原因でどちらが結果なのか,または別に本質的な原因があって,この両者はともにその結果なのか,その考察をすることなく,人々はCO2濃度上昇で気温が上がると信じ,その対策を一大国際政治課題にしてしまった.これにより,寒冷化説をとりつづける地道な学者は,研究費が得られず,また研究してもこれを発表する場をレフェリー制度によって奪われ,さらに圧倒的に多い温暖化論者の前に意欲を失い,沈黙を余儀なくさせられたように見える.寒冷化説の指摘した問題点は,現在もなお有効である.
 ここでは,CO2温暖化脅威説やO3ホールのフロン原因説が間違っており,また京都議定書を受けて提案される太陽光や原発などの取組みが無意味であることを示す.さらに,穀物の過剰生産,自由貿易,債務という経済行為を原因とする農地と森林の喪失がこのCO2温暖化説の陰に埋没しているという現実を打破するため,あえて思うままを率直に書くことにした.(以下本文につづく)


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地球温暖化は、第一義的には経済問題である。地球上には解決すべき問題が山ほどあり、温暖化が最優先だという根拠はない。100年後の気温が3℃上がる(かもしれない)問題と、毎年1000万人以上が感染症や水汚染で死亡している問題と、どっちが緊急課題かは、経済学の知識がなくてもわかるだろう。

懐疑的な意見は、自然科学では多数説ではないが、経済学ではNordhausやMankiwの意見が圧倒的な多数説である。この費用便益分析は、IPCCの結論を前提にして行なわれているので、IPCCの結果が正しいとしても、京都議定書の実施に1兆ドル以上かける政策は正当化できない。少なくとも日本の政府や企業が数兆円の負担を強いられるだけで効果のない排出権取引は、絶対にやめるべきだ。(池田信夫談)