(BPOサイトより)
 東京在住の勤務医らから申立てのあった「割り箸事故・医療裁判判決報道」事案について4月の委員会で協議した結果、5月の委員会から実質審理に入ることを決定した。
 申立ては、2008年2月にTBSのニュース情報番組『みのもんたの朝ズバッ!』で放送された、割り箸事故を巡る判決報道の内容が、事実誤認及び捏造を含む内容で、医師としての社会的評価を低下させるものであり、名誉を侵害し、不公平な報道であると訴えてきたもの。
 これに対しTBSは、医療事件を巡る刑事判決と民事判決を比較しながら、医療機関には「最善の注意」を果たしてもらいたいとの観点から放送したもので、名誉を毀損したとの認識はないと反論している。
 委員会では、医師から提出された「申立書」とTBSから出された「回答書」をもとに検討した結果、「申立て内容」等、要件を充たしていることから、次回委員会から実質審理に入ることとした。


2009年10月30日
 放送と人権等権利に関する委員会(放送人権委員会)は10月30日、上記事案について重大な放送倫理違反があったとして、TBSにしかるべき対応措置を取ることを勧告した。

 2008年2月13日放送のTBS『みのもんたの朝ズバ!』は、1999年7月に起きた、当時4才の男児が割り箸を喉に刺して死亡した、いわゆる「割り箸事故」の民事裁判判決を取り上げた。その内容について、男児の治療を担当した勤務医とその家族から、事実誤認と捏造ともいえる放送により医師の名誉が毀損され家族も精神的苦痛を受けたとして、TBSに対し訂正・謝罪放送などを求めて本年2月、放送人権委員会に申立てがあった。
委員会では7ヶ月に及ぶ審理の結果、本件放送には放送倫理基本綱領の定めに反するなど重大な放送倫理違反があったと判断し、TBSに対し報道および論評においてより正確性、公平性の確保に留意するほか、十分な事前準備や打ち合わせ、情報の共有化などを図るよう勧告した。



 BPO放送と人権等権利に関する委員会は、テレビ朝日「サンデープロジェクト」、TBS「みのもんたの朝ズバッ!」「サンデージャポン」への申立てについて、今月19日開催の委員会から審理入りすることを決めた。3つの案件が同時に審理入りするのは初。取り扱いの数が重なることから、6月以降は月1回の定例の委員会に加え、必要に応じて臨時の委員会を開いて審理に当たることになる。
 「サンデープロジェクト」案件は、今年2月1日・8日の2週にわたって放送した特集「派遣法誕生」の内容をめぐるもの。この特集では、最近の雇用破壊・派遣切り問題の原点が「派遣法」の制定、特に「登録型」の導入にあったとしているが、「番組内で、法制定を積極的に進めたのは元労働事務次官と元大学教授の2人であると名指しで個人攻撃され、名誉・信用を侵害された」として、両名らが訂正と謝罪放送を求めて申立てた。これに対しテレ朝側は「特集は、不安定雇用の原因とされる『労働者派遣法』を検証する企画。特に見直しの検討も言われる『登録型』について、成立の過程と問題点を指摘したもので、この問題を放置してきた『行政の不作為』についても検証した。決して、当時、法の制定に関わった方々を個人的に糾弾するものではない」と反論している。
 「みのもんたの朝ズバッ!」案件は、今年2月に放送した「割り箸事故・医療裁判判決報道」をめぐるもの。東京在住の勤務医らが「内容に事実誤認と捏造があり、医師としての社会的評価を低下させるものであり、名誉を侵害し、不公平な報道である」と申立てた。TBS側は「医療事件を巡る刑事判決と民事判決を比較しながら、医療機関には『最善の注意』を果たしてもらいたいとの観点から放送したもので、名誉を毀損したとの認識はない」と反論している。
 「サンデージャポン」案件は、昨年10月19日に放送した、大阪府による保育園イモ畑の行政代執行の映像をめぐるもの。放送では、道路建設のために保育園のイモ畑が行政代執行で強制収用された当日、園児たちを現場に動員して並ばせたなどと伝えたが、同保育園の理事が「事実と反しており、名誉を侵害された」と申立てた。「申立書」では、園児たちが並んでいる映像は行政代執行の前日に撮影されたもので、この映像を元にコメンテーターらが「無理やり並べさせられてかわいそう」などとストーリーを展開させたとしている。TBS側は、既に理事に直接謝罪し、11月2日には訂正・お詫び放送を行っていることから、「当社としては意を尽くしたつもりでおります」としているが、理事側は「ねつ造以外のなにものでもなく、訂正放送も全くおざなりだ」と非難。具体的な事実誤認とコメンテーターの誤った発言に触れた訂正放送と名誉毀損の具体的内容に触れた謝罪の放送などを求めている。