福山通運、10空港で貨物保安検査怠る
 運送会社「福山通運」(本社・広島県福山市)が全国の計10空港で、航空貨物に爆発物などが入っていないかを調べる保安検査を怠っていたことがわかった。


 国土交通省が1日、発表した。同省は同社の保安検査にかかわる事業者資格を停止した。

 航空貨物の保安検査は資格を有する運送業者ができる仕組みになっている。同省によると、福山通運は3年前に資格を得て以来、全国13空港の支店で保安検査の委託を受けていたが、このうち福岡、大阪(伊丹)、新千歳など10空港の支店で検査を怠っていた。これらの支店では火薬類の探査装置さえ置いていなかった。

 8月26日、北九州発のスターフライヤー便が羽田空港に到着した際、航空会社側が福山通運の貨物の中に、外側に「花火」と表示された箱を発見。火薬類を航空貨物とするには、引火しても安全航行に影響のない程度の頑丈なケースに入れる必要があるが、同社の検査は不十分だった。

 航空会社からの通報を受けて同省が調査したところ、各地の支店で「手抜き」が判明した。保安検査にかかわる事業者の資格停止は初めて。同省は改善措置が取られるまで解除しないとしており、福山通運は当面の間、一切の保安検査業務ができなくなる。同社は1日、同省内で記者会見し、向井秀也専務が「担当者が法律を理解していなかった」「輸送作業を早く終えるために検査が怠慢になっていた」と謝罪した。

平成21年9月1日
各 位
                         福山市東深津町4丁目20番1号
                         福山通運株式会社
特定航空貨物利用運送事業者等の認定に関する効力停止ついて

 さる8月26日、弊社の子会社であります九州福山通運㈱佐賀支店が集荷いたしました玩具用花火が入った航空貨物について、定められた適正な保安検査がなされないまま航空輸送する重大な事態が発生いたしました。
 これを受けて、本日、国土交通省から、特定航空貨物利用運送事業者等の認定に関する効力停止の通告を受け、この改善措置について平成21年9月15日までに報告するよう求められました。
 弊社といたしましては、このたびの通告を厳粛に受け止め、早急に再発防止策の策定を図り、改めて法令順守の徹底に全力を傾注してまいる所存でございます。
 平素から格別のご支援、ご愛顧を賜っておりますお客様をはじめ、関係各位に多大なご迷惑、とご心配をお掛けし深くお詫び申しあげます。
                                     以上

問合せ先 専務取締役営業本部長
向井 秀也
電 話 03-3643-0292