「教育への信頼感、危機的」 今年度、既に2人
 指導するスポーツ教室の女児(12)に合宿先の岡山県倉敷市でわいせつ行為をしたとして広島市立小の元臨時教諭、佐々木猛容疑者(38)が26日、強制わいせつ容疑で逮捕された。今月15日には、竹原市立小の教諭(47)=既に懲戒免職=が児童買春容疑で逮捕、略式起訴されるなど教職員によるわいせつ・セクハラ事案で懲戒処分となるケースが後を絶たないだけに、県教育界は衝撃を受けた。【寺岡俊、井上梢、加藤小夜】
 佐々木容疑者を逮捕した広島東署によると、合宿は昨年11月に倉敷市の研修施設で行われた。広島市のスポーツ少年団のバレーボール教室に通う女子児童約10人が参加、教員は数人が引率し、保護者も同伴していた。事件のあった3日未明には、被害にあった女児は数人と一緒に寝ていたという。同署によると、他の児童からの被害申告はないという。
 合宿の直後から、保護者から広島市教委へ相談があり発覚。佐々木容疑者は昨年12月1日に、当時勤めていた同市の小学校を自己退職した。退職金は支払われておらず、「実質の懲戒免職処分と変わらない」(広島市教委教職員課)という。
 県教委と同市教委によると、県内での教職員によるわいせつ・セクハラ事案での懲戒処分は、06年4月以降27件。このうち13件が懲戒免職処分だった。
 県教委は07年8月に「教職員による不祥事の根絶」と題した事例集を県内の公立学校の全教職員(広島市は除く)に配布。校内での研修のほか、臨時採用の教職員に対しても研修を行ってきた。だが、今年度も、既に2人がわいせつ・セクハラ事案で懲戒免職処分となるなど、不祥事が相次いで発覚した。
 このため、榎田好一・県教育長が今月21日に教職員への実効性ある指導を求める通知を県立学校長と各市町教育長あてに出した際、「公教育に対する信頼感は危機的な状況にあると言わざるを得ない」と訴えた。
 小早川健・県教職員組合委員長は、職場の中でブレーキが利いていないことをわいせつ事案が頻発する理由の一つに上げた。「かつては職場の中で悩みや課題を話し合うことが多かったが、今は教職員の多忙化や、教職員個人の評価割合が増えたことで、人間関係が十分成立していない」という。「職場でフォローし合ったり、一緒に働こうとすればストレスも解消される」と説き、「教育委員会は処分や通達による厳罰化で教職員を正そうとするが、教職員の意見を学校運営に生かす環境作りも必要だろう」と述べた。

教え子にわいせつ行為、中学教師を懲戒処分 広島
 女子中学生にわいせつな行為を行ったとして、広島県教育委員会は14日、尾道市立中学校の男性教諭(25)を県青少年育成条例違反などで懲戒免職処分にしたと発表した。処分は同日付。
 県教委によると、男性教諭は今年2月7日と3月1日、男性教諭の自宅で女子中学生にわいせつな行為を行ったとされる。
 今月初旬、同校にほかの生徒の保護者から「男性教諭が中学生と付き合っているのではないか」という連絡があり、学校側が調査を開始。男性教諭に事情を聴いたところ、事実を認めた。
 男性教諭は「身勝手な気持ちで女子生徒を傷つけてしまい申し訳ない」と話しているという。
 懲戒免職の処分の場合、県教委は対象者の実名を原則公表しているが、被害にあった女子中学生の保護者から「個人情報につながるような情報の開示は控えてほしい」という強い意向を受けたとして、男性教諭の名や事案の詳細な内容については開示しなかった。

警視庁は30日、茨城県土浦市真鍋5、同県つくば市立桜中学の国語教師、栗原敏夫容疑者(51)を児童買春・児童ポルノ禁止法違反容疑で逮捕した、と発表した。

 逮捕は23日。栗原容疑者は容疑を認めている。
 同庁幹部によると、栗原容疑者は今年4月4日、東京都内の専門学校生の少女2人(いずれも16歳)が18歳未満と知りながら、同県内のホテルで、それぞれに現金2万円を渡し、わいせつな行為をした疑い。
 栗原容疑者は2人と昨年11月に出会い系サイトで知り合い、職業は明かしていなかった。「15回ほど会ってわいせつな行為をした」と供述しているという。4月上旬、同庁に匿名の情報提供があり発覚した。